笑う?泣く?怒る?ねえ、どうして?
わたしはもう、悲しむことも喜ぶことも、不思議で仕方がないよ。


どうして喜びを持ちながら、悲しみ泣くのだろう。どうして悲しみを感じながらも、喜び笑うのだろう。ひとつだけの感情しか、わたし、咀嚼できない。いや、ひとつたりとも、もう咀嚼できない。これまでの生活において、わたしは人の死を悲しみながら別のことで笑っていた。笑っている間、悲しみはどこへ?悲しんでいる間、喜びはどこへ?同じ自分の中に在るはずのひとつの感情は、他方の感情を咀嚼している間、一体どこへ?考えると不思議。今までできていたことが、考えてしまうと、気付いてしまうと、もう、何が何だか。