小学校低学年の頃までは、最初の継母のことを本当のお母さんだと思っていた。だけど、同級生の親同士の噂話であたしの家庭のことが流れた。それは子供の耳にも入り、何も考えない当時小学3年生の同級生がわたしに「侑衣ちゃんって、お母さんと血が繋がってないんだね」と言ってきた。嘘だと思って信じなかった。だってお母さんはわたしが小さいときからずっと育ててきてくれてたじゃないか。家に帰って、お母さんに言った。「今日ね、大地くん(仮名)がね、侑衣とお母さんは血が繋がってないんだねって言いに来たのー」お母さんの顔が一瞬凍りついたのを今でも覚えてる。曖昧なまま誤魔化されたけど、「あぁ、お母さんは、侑衣の本当のお母さんじゃないんだ」と思った。漠然とした、言葉では表現できないような寂しさと悲しさに襲われた。自分が誰なのか分からなかった。今もあの時と同じような、寂しさと悲しさに襲われてる。自分が何者なのかも、まだイマイチ実感がない。
あたしこんなうじうじしてる自分が嫌いなの。