もしも死んだら

わたしが死んだら。三滝くんはどうなるのだろう。そのことを考えて泣いた。癇癪を起したのではなく、悲しくなったので泣いた。三滝くんが帰って来て、泣いているわたしの横に座って、いつものように泣きやむまで側にいてくれる、のだけれど、わたしがいつもより泣きやまないので、「どうして泣いているの」と聞いた。わたしは余計に泣いた。泣いていると何も考えなくてすむので、わたしはよく泣く。泣いていると疲れて眠ってしまうので、泣くということはとても都合がよい。わたしは、死にたくないと思った。三滝くんを残して、死にたくない。だから悲しくなった。きっとこれが、わたしにとって三滝くんを心から大切に思って、三滝くんを愛しているということなのだと思う。
何故、学生のうちに、はやくに結婚したのかと聞かれる。まだ若いのに、どうして、と。三滝くんは笑って答える、「侑衣さんが、悲しいときもひとりぽっちだと思わず生きれるようにね」と。わたしのかわいい、愛しい人。いつもありがとう。ああ、しぬのがこわい。